読書メモ。

2014年1月12日 読書
もう1月も中旬だけれど、昨年(2013年)の8月~10月に読んだもの。自分のための備忘メモです。

朱川湊人『鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様』
集英社、2010.8/集英社文庫、2013.8。初出は全話『小説すばる』。BL小説?(涙)。大正3年(1914年)2月、東京芸術学校を3度受けて3度落ちている「私」は、家を出て本郷へ引っ越すとき、雪に覆われた池之端の無縁坂で、穂村江雪華(ほむらえ・せっか)と出会う。「私」は画塾にも通っていたらしい。なんていうかこの人の場合、家を出て、結果として正解だったよなぁ。完結していなくて、続きも書かれているようなので、それも読んでみたい。

大下宇陀児『鉄の舌』
私が読んだのは、『論創ミステリ叢書 53 大下宇陀児探偵小説選Ⅱ』(論創社、2012.7)。初出は『新青年』昭和12年(1937年)3月号~9月号らしい。価値観(というか)がいまどきな感じではないけれど、ふつうに面白かったです。なんていうか、昼ドラの原作にしようと思えばできそうな? 最初の章題が「入学試験期」。中学校卒業後、3浪している下斗米悌一(しもとまい・ていいち)。今度の4度目の試験は、中学4年の弟・章吉といっしょに受けることに。(中学は5年まであるけれど、「四年修了」で受験できる。)この作者は明らかに、「受験生の手記」が収録されている久米正雄『学生時代』(1918)を読んでいるよね?(何か証拠がないかな・・)。(そう、同じ本(『~Ⅱ』)の最初に収録されている、一高生小説「金口の巻煙草」も読んだ。)[追記] ちゃんと読み直してみないとわからないけれど、作中で「浪人」という言葉は使われていなかったと思う。

田辺聖子「坂の家の奥さん」
初出は『週刊小説』1973年5月(何日?)で、単行本『ほとけの心は妻ごころ』(実業之日本社、1974)に収録されているらしい。私が読んだのは、角川文庫(1980)。何て言うんだっけ、吊り橋効果? 芦屋にある家に嫁いでいる「私」。異文化理解がたいへんというか。ある日、森脇新太郎という青年と出会って、ちょっと親しくなるというか。本人によれば「芦屋山手予備校」に通う2浪生、ハタチ。個人的には、以前読んだ「恋の棺」(『ジョゼと虎と魚たち』)よりもこちらのほうがいいかも。悲哀もあるけれど、ユーモアも感じられて。

野坂昭如「万引千摺り百十番」
私が読んだのは、椎名誠選/日本ペンクラブ編『素敵な活字中毒者』(集英社文庫、1983)。初出などは、〈(略)「小説現代」(昭和50・2)に発表、「フレンチコネクション八百」(昭和51)に収録、講談社より刊行〉とのこと。うーん、こういうのがちょっと苦手で(涙)。万引き、薬、爆弾、そしてお母さん。主人公というか視点人物の紀夫は大学生で、1浪している。上京して予備校通い。その予備校時代の話も。
 

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