読書メモ(あまり読んでないけれど)。
2014年1月28日 読書
※以下、もともと1つの過去記事、
http://54487.diarynote.jp/201205062302245711/
への[追記2]として書き始めたものだけれど、書いているうちにぐだぐだになってしまって(涙)。でも、ここに残しておきます。
赤川次郎の人気について。いまさらかもしれないけれど。
たまたま手元に25年以上前の高校生向けの国語便覧が1冊あってーー自分が高校時代に学校で使っていたものではなくて、以前、必要を感じて(文学史的なことを知りたくて)ブックオフで適当に買い求めたもの。具体的には、第一学習社から出ている『新訂総合国語便覧』という本(ソフトカバー)。奥付を見ると、<1997年2月1日 改訂26版発行>と書かれている(初版は1978年)。で、現代文のところに「文庫と文学」という見開き1ページ記事(というか)があって。
<(略)/ここでは、主な文庫の1995年(平成7)現在のベストセラーと、各文庫が高校生に推薦する「おすすめの一冊」を紹介した。/(資料作成にあたって各文庫出版社のご協力を得ました。)>( p.184、 漢数字はアラビア数字に直した)
何月くらいの話なのかはわからないけれど、1995年当時の、15の文庫の売り上げベスト5がわかる(pp.184-5)。で、うち7つの文庫で赤川次郎はランクインしている(すごいな)。具体的には(発行年月を書き添えておくと)、角川文庫の4位が『死者の学園祭』(1983.4)、講談社文庫の5位が『三姉妹探偵団』(1985.7)、文春文庫の3位が『幽霊列車』(1981.8)、集英社文庫の2位が『駈け落ちは死体とともに』(1983.6)、同5位が『毒(ポイズン)』(1984.7)、中公文庫の3位が『静かなる良人』(1985.8)、光文社文庫の2位が『三毛猫ホームズの恐怖館』(1985.7)、コバルトシリーズの1位が『幽霊から愛をこめて』(1980.3)。(徳間文庫はベスト5自体が載っていない。)
私は1970年代半ば生まれなので、高校~浪人(2年)時代に本屋に行けば、文庫コーナーにはたぶん、これらの売れ筋赤川作品がたくさん平積みされていたはずーーだろうけれど、ぜんぜん記憶にない(汗)。本屋には行っていると思うけれど。出版年を見てみると、1995年ではなくてその10年くらい前(1985年くらい)でもおかしくないラインナップ、という感じがする。ま、もちろん、2014年の今でも読まれ続けている(一定の人気はある)わけだけど。
時間をもっと戻して。赤川次郎、1976年にデビューして、1970年代後半のうちには、もう中高生に(も)人気があったのか。うーん、すごいな、やっぱり。4、5年くらいで、だよね。赤川作品というと、個人的には〈三毛猫ホームズ〉シリーズのイメージがあるけれど(というか、ほとんどそれしかないけれど)、1970年代後半には、えーと、
『三毛猫ホームズの推理』1978.4
『三毛猫ホームズの追跡』1979.8
(『三毛猫ホームズの怪談』1980.12)
の2冊が出版されているようだ。カッパ・ノベルスから。新書版なら若い人でも手に取りやすいかな。というか、その前に「中高生」といえば、赤川作品、ソノラマ文庫からも出ているようだ。ん? あ、そうか。
『死者の学園祭』1977.6
『赤いこうもり傘』1978.6
(『幻の四重奏』1980.4)
1970年代後半に中高生に人気→1979年に学習雑誌に作品が登場、という流れは特におかしくはないか(あ、<赤川作品が学習雑誌に載り始めるのは、昭和54年以降>とのこと)。ただ、「中(学生)」というか、『幻の四重奏』(初出『高3コース』1979年4月号~1980年3月号)は、どうして『高3コース』での連載だったのだろう? 「中高生」に人気なら、どうして真ん中あたりの『中3コース』か『高1コース』に掲載されなかったのだろう?(私には出版社の事情とかは全くわからないけれど)。あ、でも、「鏡の中の悪魔」は、それが収録されている『青春共和国』(徳間文庫、1981.5)によれば、初出は『高校コース』1980年11月号~1981年3月号らしいので(高なにコース? あるいは1~3すべて?)、なんていうか、1979年の翌年は1980年だから(当たり前か(汗))、それほど問題にはならないのか。(結局また、自分でも何が言いたいのかわからなくなってしまったよ(汗)。)
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
あまり関係がないけれど、『駈け落ちは死体とともに』(集英社、1980.4、のち集英社文庫)の表題作は、予備校生が主人公(男子、語り手)で、女子予備校生(女子浪人生)も出てくるのだけれど、でも、なぜ「浪人生」が出てくるのだろう? ーま、理由なんてないかもしれないというか、考えてみても無意味な気もするけれど(汗)、えーと、この短篇小説の初出は、いま『幻の四重奏』も併記してみると、
「駈け落ち~」←『週刊プレイボーイ』1979年3月13日号
『幻の四重奏』←『高3コース』1979年4月号~1980年3月号
という感じ。初出誌が『週刊プレイボーイ』(集英社)なので、主人公たちが浪人生なのかもしれない(もちろん勝手な推測です)。いちおう18歳未満は購入できない、という年齢制限がある雑誌。男子浪人生が本屋で堂々と買うとして『週刊プレイボーイ』と『高3コース』のどちらがより恥ずかしいか? ーそれはそれとして。
以前、初出が『週刊プレイボーイ』の今東光や開高健の人生相談Q&A本(集英社文庫)には、浪人生からの質問がけっこうある、と書いた覚えがあるけれど(ここのブログで)、昨年(2013年)、佐瀬稔『金属バット殺人事件』(草思社、1984.11)というノンフィクションの本を読んでいて(私が読んだのは講談社文庫版。ずっと読まないといけないと思っていて、昨年やっと読んだのだけれど)ちょっとびっくり、『週刊プレイボーイ』が誉められている(?)。1980年(12月に近い)11月に2浪中の予備校生が起こした事件。1979年3月13日号の発売日がいつなのか知らないけれど、3月中ならまだどちらかといえば(正確にいえば)高3生だったのか。浪人中に浪人生小説をリアルタイムでーー読んでいる可能性は低いかな。毎週買うような雑誌とも思えないし。
『金属バット~』のあと、たまたま持っていた(ずっと積ん読状態だった)小谷野敦「ミゼラブル・ハイスクール一九七八」(『童貞放浪記』幻冬舎、2008/幻冬舎文庫、2009)という小説も読んだのだけれど、語り手(=藤井)は、金属バット事件の「少年」と同じ高校で、2学年下に当たる(1978は高校の入学年、四方田犬彦の自伝本『ハイスクール1968』と同じ)。高校に関しては意外と接点があると思うけれど(当たり前か)、それはともかく、こちらの小説では『週刊プレイボーイ』を河原に捨てている(と語っている)。というか、高校生でも読んでしまっている(ま、エロ本のたぐいはね、、そういうものかもしれない)。ちなみに続篇の「グンはバスでウプサラへ行く」(『文學界』2011年9月号)の「原型版」が、作者のブログ(はてなではなくてアメーバのほう)で読める。予備校&大学篇。
あと、本(文庫)がどこかに行ってしまって見つからないけれど、堀田あけみ『さくら日記』(河出書房新社、1985.2/河出文庫、1988)という高校3年生が主人公の小説で、大学入試が終わったあとだったか、もう『セブンティーン』は卒業、みたいなことを言っている箇所があったと思う。調べてみると、「週刊」と「月刊」の両方があったのか、当時。あ、当時というのは、続篇ではないけれど、『1980 アイコ 十六歳』の作者だから1982年くらいの話、たぶん。いや、読み直してみないとわからないけれど。で、別に何歳で読んでもいいのだろうけれど、セブンティーン=17歳といえば、1980年前後、高校2~3年生の人が多いはず。ちょっと古いけれど、三浦綾子『石の森』(集英社文庫)は、もともと月刊の『セブンティーン』で連載されていたものらしい(1975年2月号~1976年2月号)。
あと、そう、筒井康隆「慶安大変記」の初出は、『高3コース』1966年12月号らしい(「慶安の変始末記」という題で)。語り手は高校3年生(男子)なのだけれど、お姉ちゃんは家の隣に出来たマンモス予備校に通う浪人生。ま、そうだよね、『高3コース』掲載でも、そういう形(兄、姉その他)で浪人生が出てくることもあるか。この作品が収録されている『自選短篇集1ドタバタ篇 近所迷惑』(徳間文庫、2002)の後ろの「自作解説」(というか作者へのインタビュー)によれば、作者は当時Yゼミの近く(森ビル)に住んでいたらしい。
でも(?)、高校3年生が読む小説として、『週刊プレイボーイ』掲載なら、主人公(1人)が浪人生でも文句は出ないかもしれないけれど(18歳になるまでは買えないかもしれないけれど)、『高3コース』掲載なら浪人生主人公はちょっと嫌かもしれないな(そんなこともない?)。あ、もちろん、いまはもう『高3コース』(=『Vコース』)は休刊になっているけれど。
(※少し加筆修正しました。2014/01/28, 29)
http://54487.diarynote.jp/201205062302245711/
への[追記2]として書き始めたものだけれど、書いているうちにぐだぐだになってしまって(涙)。でも、ここに残しておきます。
赤川次郎の人気について。いまさらかもしれないけれど。
たまたま手元に25年以上前の高校生向けの国語便覧が1冊あってーー自分が高校時代に学校で使っていたものではなくて、以前、必要を感じて(文学史的なことを知りたくて)ブックオフで適当に買い求めたもの。具体的には、第一学習社から出ている『新訂総合国語便覧』という本(ソフトカバー)。奥付を見ると、<1997年2月1日 改訂26版発行>と書かれている(初版は1978年)。で、現代文のところに「文庫と文学」という見開き1ページ記事(というか)があって。
<(略)/ここでは、主な文庫の1995年(平成7)現在のベストセラーと、各文庫が高校生に推薦する「おすすめの一冊」を紹介した。/(資料作成にあたって各文庫出版社のご協力を得ました。)>( p.184、 漢数字はアラビア数字に直した)
何月くらいの話なのかはわからないけれど、1995年当時の、15の文庫の売り上げベスト5がわかる(pp.184-5)。で、うち7つの文庫で赤川次郎はランクインしている(すごいな)。具体的には(発行年月を書き添えておくと)、角川文庫の4位が『死者の学園祭』(1983.4)、講談社文庫の5位が『三姉妹探偵団』(1985.7)、文春文庫の3位が『幽霊列車』(1981.8)、集英社文庫の2位が『駈け落ちは死体とともに』(1983.6)、同5位が『毒(ポイズン)』(1984.7)、中公文庫の3位が『静かなる良人』(1985.8)、光文社文庫の2位が『三毛猫ホームズの恐怖館』(1985.7)、コバルトシリーズの1位が『幽霊から愛をこめて』(1980.3)。(徳間文庫はベスト5自体が載っていない。)
私は1970年代半ば生まれなので、高校~浪人(2年)時代に本屋に行けば、文庫コーナーにはたぶん、これらの売れ筋赤川作品がたくさん平積みされていたはずーーだろうけれど、ぜんぜん記憶にない(汗)。本屋には行っていると思うけれど。出版年を見てみると、1995年ではなくてその10年くらい前(1985年くらい)でもおかしくないラインナップ、という感じがする。ま、もちろん、2014年の今でも読まれ続けている(一定の人気はある)わけだけど。
時間をもっと戻して。赤川次郎、1976年にデビューして、1970年代後半のうちには、もう中高生に(も)人気があったのか。うーん、すごいな、やっぱり。4、5年くらいで、だよね。赤川作品というと、個人的には〈三毛猫ホームズ〉シリーズのイメージがあるけれど(というか、ほとんどそれしかないけれど)、1970年代後半には、えーと、
『三毛猫ホームズの推理』1978.4
『三毛猫ホームズの追跡』1979.8
(『三毛猫ホームズの怪談』1980.12)
の2冊が出版されているようだ。カッパ・ノベルスから。新書版なら若い人でも手に取りやすいかな。というか、その前に「中高生」といえば、赤川作品、ソノラマ文庫からも出ているようだ。ん? あ、そうか。
『死者の学園祭』1977.6
『赤いこうもり傘』1978.6
(『幻の四重奏』1980.4)
1970年代後半に中高生に人気→1979年に学習雑誌に作品が登場、という流れは特におかしくはないか(あ、<赤川作品が学習雑誌に載り始めるのは、昭和54年以降>とのこと)。ただ、「中(学生)」というか、『幻の四重奏』(初出『高3コース』1979年4月号~1980年3月号)は、どうして『高3コース』での連載だったのだろう? 「中高生」に人気なら、どうして真ん中あたりの『中3コース』か『高1コース』に掲載されなかったのだろう?(私には出版社の事情とかは全くわからないけれど)。あ、でも、「鏡の中の悪魔」は、それが収録されている『青春共和国』(徳間文庫、1981.5)によれば、初出は『高校コース』1980年11月号~1981年3月号らしいので(高なにコース? あるいは1~3すべて?)、なんていうか、1979年の翌年は1980年だから(当たり前か(汗))、それほど問題にはならないのか。(結局また、自分でも何が言いたいのかわからなくなってしまったよ(汗)。)
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
あまり関係がないけれど、『駈け落ちは死体とともに』(集英社、1980.4、のち集英社文庫)の表題作は、予備校生が主人公(男子、語り手)で、女子予備校生(女子浪人生)も出てくるのだけれど、でも、なぜ「浪人生」が出てくるのだろう? ーま、理由なんてないかもしれないというか、考えてみても無意味な気もするけれど(汗)、えーと、この短篇小説の初出は、いま『幻の四重奏』も併記してみると、
「駈け落ち~」←『週刊プレイボーイ』1979年3月13日号
『幻の四重奏』←『高3コース』1979年4月号~1980年3月号
という感じ。初出誌が『週刊プレイボーイ』(集英社)なので、主人公たちが浪人生なのかもしれない(もちろん勝手な推測です)。いちおう18歳未満は購入できない、という年齢制限がある雑誌。男子浪人生が本屋で堂々と買うとして『週刊プレイボーイ』と『高3コース』のどちらがより恥ずかしいか? ーそれはそれとして。
以前、初出が『週刊プレイボーイ』の今東光や開高健の人生相談Q&A本(集英社文庫)には、浪人生からの質問がけっこうある、と書いた覚えがあるけれど(ここのブログで)、昨年(2013年)、佐瀬稔『金属バット殺人事件』(草思社、1984.11)というノンフィクションの本を読んでいて(私が読んだのは講談社文庫版。ずっと読まないといけないと思っていて、昨年やっと読んだのだけれど)ちょっとびっくり、『週刊プレイボーイ』が誉められている(?)。1980年(12月に近い)11月に2浪中の予備校生が起こした事件。1979年3月13日号の発売日がいつなのか知らないけれど、3月中ならまだどちらかといえば(正確にいえば)高3生だったのか。浪人中に浪人生小説をリアルタイムでーー読んでいる可能性は低いかな。毎週買うような雑誌とも思えないし。
『金属バット~』のあと、たまたま持っていた(ずっと積ん読状態だった)小谷野敦「ミゼラブル・ハイスクール一九七八」(『童貞放浪記』幻冬舎、2008/幻冬舎文庫、2009)という小説も読んだのだけれど、語り手(=藤井)は、金属バット事件の「少年」と同じ高校で、2学年下に当たる(1978は高校の入学年、四方田犬彦の自伝本『ハイスクール1968』と同じ)。高校に関しては意外と接点があると思うけれど(当たり前か)、それはともかく、こちらの小説では『週刊プレイボーイ』を河原に捨てている(と語っている)。というか、高校生でも読んでしまっている(ま、エロ本のたぐいはね、、そういうものかもしれない)。ちなみに続篇の「グンはバスでウプサラへ行く」(『文學界』2011年9月号)の「原型版」が、作者のブログ(はてなではなくてアメーバのほう)で読める。予備校&大学篇。
あと、本(文庫)がどこかに行ってしまって見つからないけれど、堀田あけみ『さくら日記』(河出書房新社、1985.2/河出文庫、1988)という高校3年生が主人公の小説で、大学入試が終わったあとだったか、もう『セブンティーン』は卒業、みたいなことを言っている箇所があったと思う。調べてみると、「週刊」と「月刊」の両方があったのか、当時。あ、当時というのは、続篇ではないけれど、『1980 アイコ 十六歳』の作者だから1982年くらいの話、たぶん。いや、読み直してみないとわからないけれど。で、別に何歳で読んでもいいのだろうけれど、セブンティーン=17歳といえば、1980年前後、高校2~3年生の人が多いはず。ちょっと古いけれど、三浦綾子『石の森』(集英社文庫)は、もともと月刊の『セブンティーン』で連載されていたものらしい(1975年2月号~1976年2月号)。
あと、そう、筒井康隆「慶安大変記」の初出は、『高3コース』1966年12月号らしい(「慶安の変始末記」という題で)。語り手は高校3年生(男子)なのだけれど、お姉ちゃんは家の隣に出来たマンモス予備校に通う浪人生。ま、そうだよね、『高3コース』掲載でも、そういう形(兄、姉その他)で浪人生が出てくることもあるか。この作品が収録されている『自選短篇集1ドタバタ篇 近所迷惑』(徳間文庫、2002)の後ろの「自作解説」(というか作者へのインタビュー)によれば、作者は当時Yゼミの近く(森ビル)に住んでいたらしい。
でも(?)、高校3年生が読む小説として、『週刊プレイボーイ』掲載なら、主人公(1人)が浪人生でも文句は出ないかもしれないけれど(18歳になるまでは買えないかもしれないけれど)、『高3コース』掲載なら浪人生主人公はちょっと嫌かもしれないな(そんなこともない?)。あ、もちろん、いまはもう『高3コース』(=『Vコース』)は休刊になっているけれど。
(※少し加筆修正しました。2014/01/28, 29)
コメント