読書メモ。

2014年1月29日 読書
斎藤栄「外人墓地の時刻表」を読む。収録本はいろいろ? 私が読んだのは、廣済堂文庫『横浜殺人旅愁』(1987)。7篇中の最後のもの。初出は『オール讀物』1971年5月号らしい。けっこうシンプルで、ひと言でいえは“アリバイもの″かな。感想としては、うーん、ふつうだったかな(感想になっていないか(涙))。表紙カバー後ろの文句は、

<山手外人墓地のそばで殺人事件があったという通報で神奈川県警の刑事部に属する初動捜査班のパトカー2台が、ただちに現場へ急行した。パトカーはサイレンを鳴らしながら、谷戸坂の急な舗装道路をひと息に登りきった。「港の見える丘公園」の前を右折し、横浜では最も眺望の素晴らしい外人墓地上の径を南下する。そこはプールのある元町公園になっていた......。>

となっている。収録作のうちの1つだけ、しかもTVドラマなら冒頭のシーンのみ、みたいな(汗)。ーー2月11日の建国記念日の朝、横浜の外人墓地の近くで殺人事件が発生する。被害者は犬の散歩をしていたらしい女子高校生。近くにいた、血の着いたナイフを持っていた「少年」がすでに逮捕されていて、署(山手署)に連行されている。

<容疑者の大坊[「だいぼう」とルビ]秀夫に会った北村部長刑事はびっくりした。“少年″と聞いていたので、せいぜい中高生と思っていたがアテ[手前2字傍点]はずれだった。/下調べでは、大学二浪のキャリアを持つ二十歳の、立派な青年である。ただ背が低いために、あまり大人びた印象はない。>(p.234、[括弧]は引用者補足)

法律的にはどうなっているのやら(「少年」ではなくて「成人」かな)、確かに小説を読んでいると、「2浪で20歳」の人は、作品によって「少年」と呼ばれたり「青年」と呼ばれたりしている。

ミステリを読んでいて、さすがに最初に捕まった人が犯人であるとは思えないけれど、秀夫は何かを隠している感じで、ーーまぁそれはいいか。「庶民」という設定なのだけれど、安普請のアパートで両親と3人暮らし、お母さんは内職をしていて、(お母さんによれば)お父さんは働きがよくないらしい。この浪人生、受験費用とか、入学金や授業料の心配はないのかな? そもそも2月11日って、これまた(?)大学受験生にとって微妙な時期だな。。

~・~・~・~・~・~・~・~・~
斎藤栄の小説、ほかにもいくつか買ってあるのだけれど、あまり読めていなくて(涙)。このまま読まずじまいになってしまうかもしれない(弱気になっちゃダメか)。具体的には、

『OL現代詩殺人事件』
『火の魔法陣』上下
『殺意の時刻表』

「いくつか」というか、これだけ(3つだけ)だな。あと、次のものも古本屋で見かけたら手にいれたい(絶版でなければ新刊書店でも)。

『水色の密室』
『鎌倉-芦屋殺人紀行』
 

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