読書メモ。

2014年3月22日 読書
去年(2013年)読んだ本なのだけれど、ーーちゃんと感想を書こうと思っていたのだけれど、たぶんもう無理なので、書名+アルファだけでも、というか。

曽野綾子『寂しさの極みの地』

という小説。中央公論社、1999/中公文庫、2001。初出は『婦人公論』1997年4月号~1998年6月22日号らしい。手もとにあるのは文庫版。カバー裏の文句を引用しておけば、

〈月光の中、鳴り響いた電話の呼び出し音......。あの電話はいったいどこから掛かって来たのだろうーー。心の通わない夫と、大学受験を前に少しずつ距離を置こうとする息子。そんな香葉子の虚しさは、三浦半島の風光によって少しずつ癒されるが......。親子、夫婦の関係を問う意欲作。〉

とのこと。息子が東大志望の浪人生。主人公はホテル経営者の妻なのだけれど、うーん、ほとんど共感できない(汗)。なんていうか、差別意識がけっこうすごい?(私みたいな人間はこの人の目には入らず、存在しないも同然?)。以前、曽野綾子の小説を読んだことがあったので、ま、こんなのでもしかたないと思って、我慢して最後まで読んだけれど。

そう、家庭教師(東大生)が息子の話(嘘まじり)ばかりを信じて、お母さん(主人公)を敵視するーーというのが、なんていうかお金(月謝)は親から出ているんだろうし、もっと中立的な立場をとらないといけないよね(ま、でも歳は近いし、ふつう息子の肩をもってしまうか。あ、あと、この小説の場合、途中で両親が子どもを残して、東京から三浦半島に引っ越してしまうし)。

“ホテル小説”としては、ーー斎藤美奈子『文学的商品学』(紀伊國屋書店、2004、のち文春文庫)によれば、

<ホテル小説は、いくつかのタイプに分けることができます。/異国情緒にあふれたリゾートホテル系と、生き馬の目を抜く都会を舞台にしたシティホテル系。客の側から見た表舞台系と、経営者側から見た裏舞台系。>(p.128, 文庫版)

とのことだけれど、この小説の場合、社員として働いているわけではないけれど、経営者の妻なので一応、裏舞台系? 異国ではないけれど、ハイビスカスを作っている人がいたりする三浦半島なので、リゾート系? ーーどうでもいいか(汗)。でも、純文学系の小説のほうが上のような分類を拒否しそう(あ、曽野綾子だから一応、純文学系ーーでいいのかな?)。
 

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