読書メモ。

2016年9月7日 読書
書いておかないと忘れてしまうので。少しだけ。収録されている本を図書館で借りて読んだ短いもの2作。

阿刀田高「走る男」
『危険信号』(講談社、1983.10/講談社文庫、1986.9)所収、12篇中の11篇目。いま手もとにあるのは(図書館にあったのは)文庫のほうで、後ろのほうによれば、初出は『オール讀物』1983年9月号らしい。で、意外と面白かったです。ミステリーというよりちょっとサスペンスな感じ? 1視点ではないんだけど、水商売をしているらしい女性(東田広美)が夜のバーで出会った若い男性を家に連れて帰る、みたいな。男は自称・山本史郎、19歳、浪人中。来年また大学を受けるために山梨から上京していてーーそういうことなども結局、すべて嘘かもしれない、という...。

富岡多惠子「峠のわが家」
いま手もとにあるのは『富岡多惠子集 4 小説Ⅲ』(筑摩書房、1999.3)で、後ろの「解題」によれば、初出は『新潮』1980年1月号で、『遠い空』(中央公論社、1982.7/中公文庫、1985.12)という本に収録されているようだ。兼次が帰宅すると、ときどき来て泊まっていく(半同棲未満くらいの関係の)芳子、の母親が来ていて、芳子が結婚することになった的なことを言ってくる(関西弁です)。一方、兼次がひとり暮らしを始めた経緯が回想されるのだけど、息子が1人に娘が2人いて。奥さんを亡くしていて、36歳で新しい奥さんをもらっていて。ーで、ある日、4日間の出張から家に戻ってみると、浪人中の息子がウィスキーを片手に「おやじの女をやったんだよ」(p.100)と言ってくる(!)。で、お父さんは家を出てしまう(妻をというか、家のボスの座を息子に譲って...というような)。会社もやめて、新しい仕事を見つけて、いまのアパートに。家に帰りたい気持ちはあるみたいだけど、峠のわが家で(?)帰れない、みたいな...。(息子側としてはどうなんだろう、自業自得すぎるけど、たぶんもう大学受験どころではないよね。お父さんが失踪、経済的にも大変になるだろうし。)
 

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